高橋大樹のマーケット放浪記

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    • まるで遺産相続争いのようだ 2010/05/11

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      昨日、複数の面談・取材を行いました。


      コンテンツ産業の今後に関してです。


      既存の出版社が生き残るすべがインターネット・電子書籍にあることは業界内でもコンセンサスとなっているが、しかし内部の反応は鈍い。


      流通・再販制度に依存する業界なので、動きが鈍いのは当然としても、紙の威厳とか、紙に対する愛情というのがあるようなんですなぁ。まぁ、何を隠そう僕にも少しだけあるので、そういうこと言われると、そうだよなぁ、なんてセンチメンタルになってしまう。
      でも、もうほとんどないなぁ。
      媒体なんてなんでもいいですよね。


      まぁ、媒体のビジネスモデルに安定感がなく、変化を許容するスピードが遅いという雰囲気が消費者にまで伝わってしまっている今、たとえば、マンガ家にマンガを描いてくれとか、小説家に小説を書いてくれとか言うのって、ちょっと間違っていると思うんですよね。いいコンテンツを作れば、どんなことをしても売れる、ってな時代は、今までもなかったし、これからはもっとないですよ。


      大手出版のとある方は、コンテンツ力の強化に関して、「売れるもの」と「作りたいもの」を両立させる方向に走っている、と言った。
      売れるものは、時流に合った企画モノで、どうしたって同業他社で似たような制作物になり、それがコンテンツの強化に直結することはない。反面、作りたいものは、編者や著者のこだわりをベースに生まれるモノ。こういうものから(作られるとすれば)、いいコンテンツが作られるのだろうが、それを生むために、売れるものを作って経営体力を維持する必要がある。とまぁこういうことである。


      また、電子書籍やデジタルコンテンツに精通するある方は、ipadやkindleは日本では流通しないと言った。現在の電子書籍やデータコンテンツのほとんどは、ボーイズラブやアダルトコンテンツなど、「隣の人に見せられない」ものだ。別に、それが悪いわけではもちろんないけれど、画面が大きくなると、たとえば電車の中でそういったものが読めないという理論。なんと、現在では売り上げの8割9割がそんなコンテンツらしーんである。



      また別の方いわく、
      電子書籍用の出版社が、ブログ程度のコンテンツをより集めて、質よりも量でまずは勝負する。そして、消費者に飽きられる。ただ、マーケットは拡大していくばかり。仕方なく(重い腰を上げて)既存の出版社が乗り込む。そこから、権利の奪い合いが始まる。
      紙の編集者が電子書籍用の出版社を立ち上げたとして、はたしてすぐに優良ソフトを作れるようになるか。



      ところで、電子書籍だけじゃないけれど、新たなサービスやモノが出てきたときに、業界全体で、独自の規格を作って、新規参入者の参入を阻止するという動きはどこにでもある。ユーザーオリエンテッドの概念はそもそもからして、ない。ビジネスというか、社会というのはそういうものかもしれないし、そうじゃないかもしれない。よく分からない。


      まぁ、現在の紙業界は、まるで遺産の相続争いをしてる人たちのようである。
      業界内で、あまりに同業他社が依存し、年月を重ねすぎると、欲に対する恥がマヒしてくるのでしょうか。

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